ニューヨークの知識人―ユダヤ的知性とアメリカ文化―
ソール・ベロウ(一九七六年)とアイザック・B・シンガー(七八年)の二人のアメリカ・ユダヤ系作家が七〇年代後半に相次いでノーベル文学賞を受賞した。
著者は、多民族国家のアメリカで、全人口の三%にも満たないユダヤ人から他民族を圧倒するほど多くの有力作家たちがなぜ輩出したのか、という素朴な疑問から研究活動に入った。
「ニューヨーク知識人」とは、1930年代から50年代にかけて登場したユダヤ系批評家たちの総称。彼らの評論は文学に限らず政治、社会、哲学、歴史などあらゆる分野に影響を与え、アメリカ文化にユダヤ的知性の発現をもたらし、戦後のニューヨークを「西欧世界の知的首都」と、世界に言わしめた原動力となった。本書は過去半世紀に及ぶ彼らの知的軌跡をたどりながら、二十一世紀へ向けての知識人のあり方と役割を考え直す材料となる。
書籍名 | ニューヨークの知識人―ユダヤ的知性とアメリカ文化― |
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著者名 | 芸術学部教授 堀 邦維・著 |
月号 | 2001年冬季号 No.86 |
価格 | 2,800円(税別) |
出版社情報 | 東京都千代田区富士見2-2-2、彩流社 |